金村修の言葉 2024年4期

第一回 11月18日
写真
写真に愛されてない。そういう時があるんですよ。長嶋茂雄みたいに野球の神様と両思いならいいんですけどね。


第二回 11月25日
写真家
写真家の言ってることは100%妄想なんですよ。妄想のほうが面白いし、つまんない現実撮ってもしょうがないでしょう。


第三回 12月2日
動画
動画作品は3分を目標につくるといいですよ。3分できれば5分、10分もつくれるから。


第四回 12月9日
回顧展
これだけで展示できなくても意味はあるんですよ。回顧展になれば重要な作品になるかも。作品がいいかどうかより何を考えていたかが重要になるから。


第五回 12月16日
ステートメント
心情とか要らないんですよ。事実だけを淡々と述べれば。それこそ写真ですよ。写真に形容詞は要らない。


金村修の言葉 2024年3期

第一回 8月26日
写真を見る
(自分の写真を)毎日5分だけ見るんですよ。長く見ないで少しだけ。自分と写真の距離が重要だから。自分の写真好きだなーと思って見てると選べないんですよ。


第二回 9月2日
写真
写真は「止まってる」ってイメージで見てるけど、実は動いているから。


第三回 9月9日
タイトル
夢の中で良いタイトルを思いつくんです。「よし、これだ!」と思うんだけど、起きたら忘れてるんですよ。


第四回 9月16日
展示
展示してみないとわからないことってあるんですよ。最初にニコンサロンで展示した時に額装したんだけど、合わないなと思って、それから貼りっぱなしにしたんです。


第五回 9月23日
展示
撮った写真は1年毎に区切って展示するんですよ。そうしないと写真がありすぎて選べなくなるから。


第六回 9月30日
長島有里枝さんによる特別講義


第七回 10月7日
影響
誰からも影響を受けていないっていうのは弱いんですよ。それって自分の根本みたいなもんだから。


第八回 10月14日
展示
展示考えてみれば? 空間の中で写真を見たほうが冷静に見られるっていうか、見え方が変わる。展示をしてみないと本当にいい写真かどうかわからないんですよ。


第九回 10月21日
カメラ
カメラはカバンから出さなければ重いだけだから。


第十回 10月28日
コンセプト
コンセプトはシンプルなほうがいいんですよ。河原温みたいに。


金村修の言葉 2024年2期

第一回 5月13日
展示と撮影
ある程度写真がたまってきたら、展示を想定しながら撮るといいですよ。セレクトが変わってきます。


第二回 5月20日
ポートレート
カメラを手にした瞬間に撮る練習をするんですよ。じーっと見てると相手が警戒するから。ポートレートは観察しすぎるとダメなんです。


第三回 5月27日
写真
主観性がないところがいいかな。表現意欲がないっていうか。淡々としてる。記録に近いよね。


第四回 6月3日
タイトル
タイトルは重要。写真学校で一年かけて教えてもいいくらいですよ。


第五回 6月10日
焦点
この写真なんか焦点がはっきりしないところが面白いっていうか。何を見てんだろうと思う。ちょっと怖いよね。


第六回 6月17日
カメラ
新しいことやりたいならカメラを変えるんですよ。道具と出合うって重要なんです。


第七回 7月8日
レンズ
レンズは標準が1本あれば十分なんですよ。交換レンズはね、スポンサーが来るときに見せるものなんです。


第八回 7月15日
原美樹子さんによる特別講義


第九回 7月22日
曲線
画面にぐにゃぐにゃした曲線が入って来ているのはいいですね。有機的になるから。


第十回 7月29日
良い写真
20枚くらい良い写真があれば40枚選ぶことはできますよ。40枚全部が良い写真じゃなくてもいいんだから。


金村修の言葉 2024年1期

第一回 1月22日
ワークショップ
写真は単語。このワークショップで学んでほしいのは文法です。


第二回 1月29日
撮影
犬のマーキングみたいなもんですよ。同じところ毎回撮ってて飽きないんだから、写真家は。


第三回 2月5日
距離
自分と写真がくっついちゃうと作品になりづらいんですよ。


第四回 2月12日
視線
作品は人に見せることが必要なんですよ。他人の視線がないと思想は生まれないから。


第五回 2月19日
説明
説明的に撮ると弱くなるんですよ。写真は現実を写すから。


第六回 2月26日

量を展示したほうがいいですよ。たくさん出して表現できる写真ってあるから。やりたいことが明確になるっていうのかな。あとから誰かに絞ってもらってもいいし。どっちも自分でできると一番いいんだけと。


第七回 3月4日
Marco Mazziさんによる特別講義


第八回 3月11日
人生
写真家は自分だけじゃなく、撮った相手の人生までついてきちゃうんですよ。


第九回 3月18日
見方
「自由に作品を見てほしい」っていう作家がいるけど、最初から自由というのは弱いんですよ。


第十回 3月25日
写真集
いい写真ばかり並べたらいい写真集ができるかっていうとそうじゃない。それって音楽でいうとベスト盤みたいなもの。ベスト盤で面白くないじゃない?


金村修の言葉 2023年4期

第一回 10月16日
見直す
これはダメだと思った写真が十年くらいして見直したらよかったりするんですよ。自分でやってることは自分で判断できないものなんです。


第二回 10月23日
撮影
写真家は早起きなんですよ。


第三回 10月30日
持続
続けていくって大事ですよ。写真は唯一、続ければなんとかなるメディアなんですよ。


第四回 11月6日
影響
影響された作品がないなんてことはないですよ。バックボーンがないとトークできないじゃない? 天才の話がつまらないのは自分の話しかしないからなんです。


第五回 11月13日
スナップ
スナップは撮影もセレクトも無限にチョイスできるから、作家としての態度、世界観が問われるんですよ。


第六回 11月20日
傑作
傑作写真には作家の思想が表れるんですよ。


第七回 11月27日
Carrie Cushmanさんによる特別講義


第八回 12月4日
世界
室内と街頭の写真が両方あるといいんですよ。狭い世界と広い世界を行き来することになるから。


第九回 12月11日
組み合わせ
写真の組み合わせは無限なんですよ。どれとどれを組み合わせるかが作家の思想なんです。


第十回 12月18日
揃える
写真がぜんぶ揃っている人っているじゃないですか? 揃ってると飽きるんですよね。ミニマルアートじゃなく現実が写ってるんだから。


金村修の言葉 2023年3期

第一回 7月24日
写真
下手な写真ってたくさん撮らないと出てこないんですよ。


第二回 7月31日
ピント
ピントって悩みますよね。ここに合わせるか、そこに合わせるかで。私がパンフォーカスにしてるのはピントを考えるのが大変だから。


第三回 8月7日
カメラ
カメラ持って鏡に映してみた? ダメだよ、似合ってるカメラじゃないと。


第四回 8月14日
場所
この場所どこだろう? っていう写真ですよね。具体的な地名が知りたいとは思わない。郷土愛がないところがいいんですよ。


第五回 8月21日
被写体
くだらないものが写った写真をプリントすると、自分ってほんとにくだらないんだなと思うんだよね。でもなぜかくだらないものを撮りたくなるんですよ。


第六回 8月28日
宇田川直寛さんによる特別講義


第七回 9月4日
文章
作品になる時ってこれで文章が書けると思ったときかな。


第八回 9月11日
撮影場所
『挑発する写真史』の表紙、あれ町屋なんですよ。町屋にこんなベレニス・アボットみたいな場所があるのか、みたいな。たしか京成線の高架下だと思います。


第九回 9月18日
場所
自分が生活している場で撮影すると強いんですよ。誰もその場所を知らないし。それがあって都会の写真があると良いんですよ。自分の核みたいなものがあって都会を撮ると人とは違う写真になるんですよ。


第十回 9月25日
場所
日本の都市を説明している写真じゃないんだから、ボーダレスでいいと思う。桑原甲子雄さんの『夢の町』は東京を撮ってるんだけど、昔の東京で今の東京じゃない。桑原さんの町なんですよ。時間も場所も関係ないんです。


金村修の言葉 2023年2期

第一回 5月1日
レンズ
広角レンズを使うと画面が歪んで中心ができるんです。画面にヒエラルキーができるんですよ。


第二回 5月8日

音に集中して歩くと、街がふだんと違って見えるんですよ。聴覚の可能性はまだ未開拓だと思いますね。


第三回 5月15日
写真
結局撮ってみないとわからないんですよ。撮っても撮ってもわからないんですけど。


第四回 5月22日
時間
時間のない撮り方ってあるけどね。日常生活を撮る。その人の条件の中で撮るしかないんだから。


第五回 5月29日
楢橋朝子さんによる特別講義


第六回 6月5日
映画
長い時間が必要な映画ってあるんですよ。8時間くらいの映画を見に行くと、途中から意識が変容するんですよ。


第七回 6月12日
構図
構図に対してシリアス性がないのがいいよね。撮ろうって気がない。どんどんヘタになる写真家ってあんまりいない。ロバート・フランクくらいだよ。


第八回 6月19日
撮影
うねるような写真を撮りたいときは蛇になるんです──鈴木(清)先生がそう言ってましたよ。蛇ってこう見てるのかなあ、と撮ってましたね。6×6のカメラで。


第九回 6月26日
作品発表
前にやったものをベースに何をやるかを考える。いったんやったことをゼロにして、を繰り返していると、いつまでたっても積み上がっていかないから。


第十回 7月4日
写真集
写真をどういうふうにまとめるかは、写真集を見て考えるしかないんですよ。


金村修の言葉 2023年1期

第一回 2月6日
もの派
工場の写真を見るとみんな「もの派」に見える。


第二回 2月13日
ズームレンズ
ズームレンズはあまりつかわないほうがいいかな。自分が興味があることにどれだけ身体が近づいていくかってことが重要だから。


第三回 2月20日
サイズ
写真に撮って大きくすればいいですよ。サイズを変えられるのは写真のいいところだから


第四回 2月27日
写真
つまらないものでも自分が撮るとおもしろい写真になる――そういう態度は好きじゃないですね。写真はマジックじゃないから。


第五回 3月6日
撮影
考える前に撮ってる。考えるのは選ぶ時なんですよ。


第六回 3月13日
撮影
聴いてる音楽とか読んでる本と、撮ってる写真って、最初はバラバラですよね。でもそれがだんだんくっついてくるんですよ。人生にムダなものってないんだなって思いますね。


第七回 3月20日
写真
写真って、自分でも意識しないうちにいい写真が撮れるものなんですよ。たまに。ずっと撮ってると、そのうち意識して撮れるようになるんだけど。


第八回 3月27日
小林孝行さんによる特別講義


第九回 4月3日
日記
日記写真は上手い必要はないんですよ。上手い日記なんか読みたくないでしょう。ちょっと崩れていたり、はみ出してるほうがいいんです。


第十回 4月10日
目的
目的なんてないほうがいいんですよ。目的を持つと目的に縛られるから。

金村修の言葉 2022年4期

第一回 11月7日
写真
写真1枚は言葉でいうと単語だけ。赤ん坊の言葉と同じでそれだけじゃ意味をなさない。それをつなげる文法が必要。言いたいことがないっていうのだって1つの文法なんですよ。


第二回 11月14日
タイトル
タイトルをつけるときに考えてること? 鑑賞者を混乱させようってことですね。


第三回 11月21日
撮影
最初の頃はとくにそうなんだけど、写真ってサボると撮れなくなるんですよ。


第四回 11月28日
視覚
メッセージをどうやって視覚的に表現するかが重要。読んで理解する、ではなく、見て感じる。フルクサスはそれをやってた。


第五回 12月5日
三田村光土里さんによる特別講義


第六回 12月12日
写真の順序
写真を並べるのは連想ゲームのようなものなんですよ。連想ゲームには秩序がないから。


第七回 12月19日
写真
(写真を見て)世の中ってこんなにわからないものがあるんだ。わからないから意味があるのかなとか考えるわけですよ。暗号ですよ。なんの暗号かわからないけど。


第八回 12月26日
被写体
写真なんて撮りにいくまで何が撮れるかわからないからね。


第九回 1月9日
展示
展示を写真に撮るって大事なんですよ。写真は実際の展示よりも面白く撮れたりするから。


第十回 1月16日
意味
意味を与えたくないってことは、毎回違うことを言うってこと。意味を撹乱するんですよ。


金村修の言葉 2022年3期

第一回 7月25日
健康
写真は健康にいいですよ。朝8時に寝てたけど、写真を始めて朝8時に起きるようになったんです。体調がよくなりましたね。


第二回 8月1日
アンチ・エモーション
音楽でいえばリズムセクションがしっかりしてる。だからエモーショナルな感じがしないんですよ。


第三回 8月8日
展示
一つの展示でできるのは一つのことだけなんですよ。


第四回 8月15日
エフェクト
楽器でもエフェクトかけるやつってだいたい下手なんですよ。エフェクトかけていいものは、かけなくても面白いものなんです。


第五回 8月22日
人間
自己表現してない写真っていいですよね。人間もいないし。人間がいない風景って美しいですよ。


第六回 8月29日
遺作
たまには展示で失敗したっていいんですよ。遺作で失敗しなければいいんです。


第七回 9月5日
作品
作品は自分でコントロールできるものじゃないんです。できちゃったものなんです。コントロールできるものよりも、できちゃったもののほうが面白いんですよ。


第八回 9月12日
梅津元さんによる特別講義


第九回 9月19日
友だち
友だち? いないですよ。友だちつくると作品つくらなくなるじゃないですか。


第十回 9月26日
こだわり
こだわりってあったほうがいいですよ。ヨーゼフ・ボイスはフェルトと脂肪にこだわってたんだけど、本人いわく、第二次世界大戦中にドイツ空軍のパイロットだったときに撃墜されて、フェルトと脂肪のおかげで助かったと。そういう何かがあると作品が面白くなるんです。