金村修の言葉 2012年2期

第一回 4月16日
毎日
毎日撮るんですよ。アーティストは毎日作品を作ってる。河原温だって毎日日付描いているしね。あれ、フツウなんだよね。写真家は怠け者が多いから。


第二回 4月23日
写真のセレクトについて
(撮影した写真の)セレクトに自分の感情を反映させると、どうしても自分の美学に収まってしまうから。


第三回 4月30日
展覧会のタイトルについて
タイトルを考えるのも写真家の仕事だから。コマーシャル写真家は自分で考えないけど、作家は自分で考える。いいタイトルを考えたかどうかは問題じゃない。考える過程が大事だから。
−−金村さんの初個展は1993年の「Crashlanding in Tokyo’s Dream」(銀座ニコンサロン 東京)ですが、タイトルはすんなり決まったんですか?
いや。最初は「インダストリアル・シンフォニー」。オマエはばかかと言われた。次に考えたのが「過剰露出都市」。そのまんまじゃないかと言われた(笑)。


第四回 5月7日
写真と自分
写真は基本的に自分を見せなくていいから。ラクだろ。人前で写真のことをしゃべっても恥ずかしいことってないんだよ。自分のことをしゃべるのは恥ずかしいけど


第五回 5月14日
写真のセレクション
セレクトなんてできるわけないじゃないか、という問いは一生の課題だから。人間は選択なんかできないんじゃないかっていう。


第六回 5月21日
ピント位置
ピントを前に持ってくるか、後ろに持ってくるかだけで、二種類作品が作れる。


第七回 5月28日
写真の分類
−−壁ごとに被写体を分けたいという受講生。撮影した写真をどう分類するかという作業に入っているが、分類が難しい写真も出てくる。そのとき、どうしたらいいかという問いに対する金村の言葉。
どう分類するかは自分の写真観にかかわること。これを〝道〟として見るか、これを〝庭〟として見るかで、写真が違って見える。一般的には〝庭〟じゃなくても、〝庭〟って言い切る。それが写真観の表明。


第八回 6月4日
デザインと写真
デザインと芸術の違いって、デザインはバランスしか見ていないんだよね。そこに思い込みがないんだよ。


第九回 6月11日
心情、意図、写真
作者の心情とか意図とかを抑えたほうが、得体の知れないものになる。


第十回 6月18日
作品タイトル
格調高いタイトルつけるのって恥ずかしいんですよ。でも、そこをぐっとこらえて。写真と自分は違うから。

>>Back to REPORT