金村修の言葉 2017年1期

第一回 1月9日
バランス
バランスが悪いところがいいのかな。建物の大きさと人間の大きさとか。


第二回 1月16日
1枚目
最初に1枚だけいい写真があれば、後は引きづられて見るから。


第三回 1月23日
写真の埃
埃って重要だよ。ラボに指示するもん。この埃は残してくれって。


第四回 1月30日
わかる/わからない
わけわかんないのとわけわかるのが混じってる方がいいんですよ。わけわかんなだけだと、わけわかんないのが普通になっちゃうから。


第五回 2月6日
タイトル
タイトル決めると方針が決まってくる。それに見合った写真が集まってくるから。


第六回 2月13日
意識と無意識
意識と無意識が対立するのが作品だから。


第七回 2月20日
若者
最近の若い人の写真は、余裕すら感じるよね。こんなもんでしょ、みたいな。未来があると思ってるから。ほんとはないんだけど。


第八回 2月27日
写真を選ぶ
写真を選ぶときは、毎日5分か10分だけ見るといいんですよ。1時間見てるとどれもよく見えてくるから。一ヶ月くらい続けると選べるようになるかな。だんだん飽きてくるから。


第九回 3月6日
写真=素材
素材(写真)をどう扱うかが作家性だよね。


第十回 3月13日
意味
頭が悪い人って意味を求めるんですよ。意味のないことを10年、15年続けられるか。意味のあることを続けるのは楽なんですけどね。

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金村修の言葉 2016年4期

第一回 10月10日
撮影
潜り込んで撮ってるところが面白いですよ。狭い中で蠢いてるっていいよね。


第二回  10月17日
モノクロプリント
モノクロ写真はコントラストが高いと安心するんだよね。白と黒がはっきりしてるから。グレートーンは不穏なんですよ。閉塞感がある。


第三回 10月24日
ステートメント
基本的にアーティストって説明があんまりうまくできないほうがいいんですよ。うまいと面白くないんです。


第四回 10月31日
ステートメント
シリアルキラーとか、気が狂った人の手記を読むといいですよ。どんなにメチャクチャなことを言っているように見えても、その人の中では整合性があるんです。整合性があれば何を書いたっていいんですよ。


第五回 11月7日
やるべきこと
自分で説明できることはやらない。それっていい心構えですよ。


第六回 11月14日
わかる
結局、わかるってことは、わからない要素を落とすってことだから。わかるためにはわからないことをなくすんだよ。


第七回 11月21日
理念
作家はそれまでやってきたことを見せるわけだけど、なんでかっていうと、そこに理念があるかどうかを知りたいから。だから積み重ねていくわけじゃない?


第八回 11月28日
シリアスフォトグラファー
シリアスフォトグラファーってなんだろうねぇ。生活費をフィルム買うことに回して、夫婦喧嘩になるんですよ。それがシリアスフォトグラファー。


第九回 12月5日
性格
無邪気なんだけど性格が悪いっていうのがいいかもしれないですね。悪気はないけれど人を殺す。


第十回 12月12日
ベラベラ
昔はさ、写真家は黙って写真だけ出していればよかったんですよ。いまはベラベラしゃべってるけど。

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金村修の言葉 2016年3期

第一回 7月11日
ストック
ストックがゼロになってこそ写真家だよね。常にゼロ!


第二回 7月18日
露出
適正露出の写真って難しいよね。アマチュアみたいに見えるから。


第三回 7月25日
コラージュ
コラージュやってみたらどうですか。これは! ってことができるかもしれないし、えらいものになっちゃったなってこともあるし(笑)。


第四回 8月1日
階級
ものの意味じゃなくて、かたちで見るんだよ。この線がかっこいいなとか。


第五回 8月8日
写真
フィルムとか印画紙が高い時代にこんなことやってるなんて狂ってると思うんだよね。


第六回 8月15日
文字
画面のなかに文字を入れないように、というのは写真学校で言われるよね。俺も初期の頃って看板は入れてないから。なるべく避けてた。文字を避ける訓練ってするよね。守っててもブレークできないけど。


第七回 8月22日
中平卓馬
中平さんのすごいところはプリントが適当なところだよね。パリで展示したとき、現地でプリント。テストなんか撮ってる暇がないでしょう。撮ってその日のうちにプリントだから。(写真集)『サーキュレーション』は見たほうがいいよ。


第八回 8月29日
構図
写真家的美意識があるんだよね、まだ。だから中途半端にトリミングするんだよ。


第九回 9月5日
生々しさ
生々しいのとそうじゃないのと混ざってるほうがいいんですよ。生々しいだけだと畑から芋とってきたまんまみたいになるから。


第十回 9月12日
トリミング
どこをどうトリミングするかなんて下々の者が考えればいいんですよ。

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金村修の言葉 2016年2期

第一回 4月11日
構図
構図は後から決まってくるから、どう壊すかをみんな考えてる。物の配置があってフレームがあれば写真だから。


第二回 4月18日
失敗
失敗してる写真展のほうが参考になる。成功した写真展なんか感動するだけだから


第三回 4月25日
映画
映画はかたちだけ見るんですよ。小津映画だったら登場人物がどっちを向いてるか。どうつなげているか。ストーリーなんてどうでもいいんですよ。


第四回 5月2日
階級
画面に中心がない、というか、ぜんぶが中心。階級がないって言うのかな。


第五回 5月9日
悩み
「写真は立って被写体と正対して撮る」って教育を受けたからなあ。寝っ転がって撮るっていいなあ。


第六回 5月16日

水を撮れたら何でも撮れますよ。


第七回 5月23日
ブレない
ブレないようにするには腕に力を入れるんじゃなくて下半身に力を入れるんですよ。


第八回 6月6日
展覧会
来年は毎週展覧会やったら?


第九回 6月13日
展示
事前にあんまりきっちり考えないほうがいいよ。現実はノイズが入ってくるから。1・5倍くらいの写真を持ってきて、展示のときに差し替えるといいんじゃないかな


第十回 6月20日
写真
世間をアッと言わせましょうよ。これが写真だ!

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金村修の言葉 2016年1期

第一回 1月11日
友だち
友だちがいないっていいことだと思いますよ。つまんない飲み会に行かなくてから。


第二回 1月18日
ゆれる
撮ってるうちから固めちゃうと面白くない。撮っておいて後でセレクトから落とさないと。ゆれてないと面白くない。


第三回 1月25日
対象
「週刊実話」の表紙を毎週撮ったっていいわけよ。毎週変わるから。評論家は違うものを撮れっていうけど、毎回同じものを撮って興奮してるっていうのが写真家だから


第四回 2月1日
スナップ
これ、何かしてる時に撮ってるじゃない? 何かしてる時じゃないほうがいいんですよ。何かしてる時っていうのは誰でも撮るんですよ


第五回 2月8日
悩み
写真は創作上の悩みってないんだよ。システマチックに撮れるわけだから。だからほかの芸術からバカにされるんだけど。


第六回 2月15日
場所
一つの場所で撮ると選ばなくなるからいいなあ。いろんなところで撮ると好きなものばかり撮るから。


第七回 2月22日
好き
写真が好きだと思われたらおしまいじゃない? 写真に対して破壊力を持たないと。


第八回 2月29日
ダム
柴田(敏雄)さんの作品を見た後に実物のダムを見ると、柴田さんの写真に見える。


第九回 3月7日
カタチ
「カタチに実態はない」って般若心経も言ってましたよ。


第十回 3月14日
コラージュ
カメラで撮るとなんでもコラージュになるんですよ。写真はすべてコラージュなんです。

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金村修の言葉 2015年4期

第一回 10月12日
場所
ずっと同じところ撮っていても、撮るところはまだまだあるんだなあ。


第二回 10月19日
写真と言葉
「これはキリストの血だ」って言うとね。ぜんぜん違って見えるでしょう!


第三回 10月26日
写真ともの
普通にプリントしてほうが荒れて見えるよ。ものの関係性が変なんだから。


第四回 11月2日
カメラ
写真学校に4年間行ったけど、絞りとかシャッタースピードとかよくわかんなかったな。250分の1ならブレないなくらいで。


第五回 11月9日
10年
ドキュメンタリーだったらだいたい10年くらいかかるんじゃないかなあ。2、3年でやめちゃう人が多いから。選ぶは後からできるから。たくさんあったほうが選べるし。


第六回 11月16日
テクニック
上手ければ違うもの撮ってもいいけど。面白くないじゃない? 貧しいテクニックで同じようなものばっかり撮ったほうが作家性が強いから。


第七回 11月23日
コンテスト
写真コンテストに受かるうまさは、現代写真では意味ないしね。


第八回 11月30日
隣の写真
鈴木(清)先生はホームレスの写真の隣にパフォーマンスの横たわる写真を置くんですよ。そうすると意味が変わるんです。


第九回 12月14日
編集
編集って面白いと思う。ゴダールが言ってたけど、モンタージュはつながらないものをつなぐ。


第十回 12月21日
反復
写真のかたまりのなかに、反復するものがあるとわかりやすくなる。

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金村修の言葉 2015年3期

第一回 7月13日
撮影
まだ撮っているものを大切にしたいって気持ちが出てるじゃない? どうでもよくなってくると面白くなるんですよ。


第二回 7月20日
中平卓馬
中平さんの場合、写真の物質性が大事なんだよね。もの派と交流があったくらいだから。


第三回 7月27日
鈴木清
いま妄想を持ってる写真家っていないけど、昔はいたんですよ。鈴木清先生とか。


第四回 8月3日
ストリートスナップ
この前、銀座で中国人に混じって撮ってたけど、別に怒られなかったな。


第五回 8月10日

夜ってこまごまとしたところは写らないから。省略されるから。


第六回 8月17日
イメージ
写真はイメージ。最初から反イメージみたいなものを出しちゃったら楽なんだけど。イメージを通さないと反イメージは見えてこないから。


第七回 8月24日
動画
動画の編集はきりがない。写真は時間の区切りがあるからいいよね。


第八回 8月31日
芸術家
やっぱ社会が嫌いじゃないとね。芸術家になるには。


第九回 9月7日
額装
額装していないと不穏な感じになるなあ。


第十回 9月21日
ウォルフガング・ティルマンス
ティルマンスは勤勉なんだよ。毎日新聞切り抜いたり、写真撮ったり

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金村修の言葉 2015年2期

第一回 4月13日
撮影
ついでに、っていいと思う。だって自分の予定していないものを撮るわけだから。


第二回 4月20日
休日
ゴールデンウィークを堪能してるのなんかサラリーマンだけですよ!


第三回 4月27日
幽霊
幽霊かあ。いい写真家は幽霊くらい写すよ


第四回 5月4日
苦労
苦労が見えるのは下手な写真なんですよ


第五回 5月11日
見た目
思想がないと本当にかっこいいよね。見た目が優先だから。


第六回 5月18日
額装
現代美術の山中(信夫)さんも安っぽい額使ってたなあ。カッコよかったなあ


第七回 5月25日
いい写真
いまどきいい写真が撮れたというだけじゃ作家になれないからさ


第八回 6月1日
プリント
プリントを夢中でやってると言語を忘れてくるよね。言葉なんて要らないんだ、という気分になってくる。


第九回 6月8日
覚悟
これからフィルムやりたいの?
××さんなんかカードの限度額まで印画紙買ったらしいよ。値上がりする前に。そこまでの覚悟があるならやればいいと思うけど。


第十回 6月15日
正義感
写真家の正義感なんてうそっぱちだからなあ。

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金村修の言葉 2015年1期

第一回 1月12日
集中
集中したいとか言ってるやつはダメなんだよね。撮るのなんて10分でできるんだから。


第二回 1月19日
写真の違い
ストリートスナップと待って撮る写真は違う。最後は選択して編集する。そのためには、しょっちゅう分類するんですよ。


第三回 1月26日
壁に貼る
良いねと言われた写真を壁に貼って、日常的にチラチラ見るんですよ。でも、本当はちゃんとした写真家が撮った写真家が撮った写真のほうがいい。日常的に見るとよくなりますから。昔、鈴木清先生のプリントを買って、壁に貼っていたんですよ。そうしたら、自分の写真が良くなったような気がした。


第四回 2月2日

(写真に写りこんでしまった)猫に罪はない


第五回 2月9日
文字
(画面のなかに)字がないと知的に見えるなあ。


第六回 2月16日
撮影の記憶
撮影したときのことは覚えてないほうがいいみたいね。ずーっと撮ってるとそうなるみたい。どこに行ったって同じ風景に見えてくるから。


第七回 2月23日
フィルム価格の高騰
フィルム200本まとめ買いした甲斐がありましたね。


第八回 3月2日
写真を見る
ワークショップでいいねって言われた写真を毎日見るといいんですよ。五分でいいから。そうすると変わる。


第九回 3月9日
快楽
どこに快楽を感じるかが重要なんだよ。政治が好きな人は政治に快楽感じてるんだから。


第十回 3月16日
キーポイント
キーポイントになる写真があれば上手く行くんだよ。俺の『German Suplex』(写真集)なんか一枚。あとはその余韻で見せてるだけだから。

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金村修の言葉 2014年4期

第一回 10月13日
プリント
ワークショップで見せるプリントは、まだ「作品」じゃないから、丁寧に焼かなくたっていいですよ。でも、いつもそう思ってると、展覧会用の本番でもうまく焼けなくなるんだよね(笑)。そしたら、次頑張ればいいんだよ!


第二回 10月20日
現代美術
プリントを大きく伸ばして点数少なくして展示すると、現代美術っぽくなるんですよ。


第三回 10月27日
デジカメ
俺もデジカメで撮った写真、その場で見るけど、イメージ通りに撮れたやつは消すかなあ。


第四回 11月3日
発表
発表したほうがいいですよ。どんどん溜まっていくでしょう。写真ってあんまり溜めないほうがいいから。にっちもさっちもいかなくなって、わけわかんなくなるから


第五回 11月10日
個展の心得
有名人を見ても駆け寄っちゃダメだよ。見終わったら声かけるんだよ。入った途端に『どうですか!?』って言ってくる奴いるけど、まだ見てないんだから。ゆっくり見てもらうように


第六回 11月24日
撮影場所 その1
こういうとこって誰が撮ってもかっこよくなるように作ってるから難しいよね


第七回 12月1日
撮影場所 その2
写真にしたときに面白い場所って、肉眼で見ると面白くないよね


第八回 12月8日
ストリートスナップ
ストリートスナップの面白さはとっさに撮ってるものだからね。悠然と撮ってるストリートスナップなんてないから


第九回 12月15日
下品
鈴木則文だったかな。下品は映画の華って言ってたのは


第十回 12月22日
撮影
2カット撮ったほうがいいよ。見た目で撮ったのと、もう一歩寄ったのと

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