金村修の言葉 2017年4期

第一回 10月9日
関係性
親しい関係を撮るなら長島有里枝が参考になる。家族が大好き、家族がいて幸せってことじゃないんですよ。怒ってるんだよね。家族ってなんだろう? っていう。


第二回 10月16日
異質
写真が混沌とするときは視点が動き出す。異質なものが入ると風景が変わって、画面が動き出すんです。


第三回 10月23日
方向
たとえば歩く方向を反対にするだけで写真は変わるから。


第四回 11月6日
芸術
一般の人に批判されたら芸術ですよ。


第五回 11月13日
攪拌
攪拌に疑問を持っていたことがあるんですよ。攪拌する手間があったらその間タバコが吸いたいなぁと。『Spider’s Strategy』はほとんど攪拌してないんじゃないかなあ。


第六回 11月20日
退屈
退屈な街をさらに退屈に見せるっていうのがこの写真の面白さだから。


第七回 11月27日
コンセプチュアルフォト
コンセプチュアル・フォトはいかに苦労しないかだから。


第八回 12月4日
現実の呪縛
写真は現実の呪縛から逃れられないからね。かなりブラしても何が映ってるかわからないから。


第九回 12月11日
グループ展
グループ展で1人だけ本気出すと嫌われるんですよ。和を乱すとか言って。でもその方がいいんです。和なんてクソくらえですよ。


第十回 12月18日
活動時間
夕暮れは情緒的になっちゃうんですよ。写真家はやっぱり朝早く起きないと。

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金村修の言葉 2017年3期

第一回 7月10日
写真家と美術家
外部のことをやってるのが写真家。美術家は外部を内部でいったん消化して出してる。写真家は内部を消化しないで出す人が多い。


第二回 7月17日
見方が変わる
柴田(敏雄)さんが撮ったダム。一度見たら、ダムがああいう風に見えるようになる。ああしか見られなくなるんだよ。


第三回 7月24日
遠近法
遠近法なんて西洋絵画の幻想なんですよ。


第四回 7月31日
次の作品
これをやったら、それを土台にして次に何をやるかを考える。一つ終わって次はまったく違うことをやる、というのは作家のやることじゃないから。


第五回 8月7日
素材
一つの素材にこだわるっていいことですよ。そこから展開できるから。


第六回 8月14日
無意味
写真は基本的に無意味。無意味なことを無意味にやるのは簡単なんですよ。無限に意味を載せられるってことだから。


第七回 8月21日
意味
伊藤高志の『SPACY』がいいのは意味がないからなんですよ。写っているものじゃなくてシステムを問題にしてるんだから。


第八回 8月28日
構造
壊すためにはまず構造がないと壊せない。


第九回 9月11日
複数
アングルをちょっとずつ変えて撮っていくってことは、時間の問題をやてるってことだから。視点を変えるだけなら、そんなに何枚も必要はないんですよ。


第十回 9月25日

これ厳選して3枚だけでって写真じゃないでしょう? 量ですよ。量は質を決定するってよく言うじゃないですか。

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金村修の言葉 2017年2期

第一回 4月10日
作品づくり
写真はいいですよね。通勤時間に撮ってるだけで作品になるんだから。作品づくりに専念するとか言って会社辞めたりする人もいますけど、そういう人はだいたい続かないんですよ。写真なんて簡単なんだから。どうして難しく考えるんだろう。


第二回 4月24日

いい写真家は墓を撮るんですよ。ウォーカー・エヴァンスしかり。墓を撮らずして何が写真家か!でも俺は撮ったことないんですけどね。難しいんですよ。


第三回 5月1日
写真の並び
意味としてはつながってこないんだけど、画面でつながる。写真って自由でいいなあ。


第四回 5月8日
写真と感情
感情が先行してる写真ってつまんないじゃないですか。最初から主人公が泣いてる映画なんて。


第五回 5月15日
場所
映画と写真って似てるんですよ。場所が面白ければ面白くなるところとか。


第六回 5月22日
水平
デジタルになって、カメラに水準器が入っているから水平取れてる写真が増えた。でも、きれいに撮ろうとすると構えるし、動きがなくなる。


第七回 5月29日
完成
完成するのは作家が死ぬときだよ。


第八回 6月5日
ドゥルーズ
ドゥルーズが言ってたけど、フレームがあるから現実がある。


第九回 6月12日
システム
思想がシステムを生み出しているんじゃないんだ。システムが思想を生み出しているんだ。


第十回 6月19日
1枚
あんまり1枚にこだわらないことですよ。写真は絵と違って連続性を持っているから。

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金村修の言葉 2017年1期

第一回 1月9日
バランス
バランスが悪いところがいいのかな。建物の大きさと人間の大きさとか。


第二回 1月16日
1枚目
最初に1枚だけいい写真があれば、後は引きづられて見るから。


第三回 1月23日
写真の埃
埃って重要だよ。ラボに指示するもん。この埃は残してくれって。


第四回 1月30日
わかる/わからない
わけわかんないのとわけわかるのが混じってる方がいいんですよ。わけわかんなだけだと、わけわかんないのが普通になっちゃうから。


第五回 2月6日
タイトル
タイトル決めると方針が決まってくる。それに見合った写真が集まってくるから。


第六回 2月13日
意識と無意識
意識と無意識が対立するのが作品だから。


第七回 2月20日
若者
最近の若い人の写真は、余裕すら感じるよね。こんなもんでしょ、みたいな。未来があると思ってるから。ほんとはないんだけど。


第八回 2月27日
写真を選ぶ
写真を選ぶときは、毎日5分か10分だけ見るといいんですよ。1時間見てるとどれもよく見えてくるから。一ヶ月くらい続けると選べるようになるかな。だんだん飽きてくるから。


第九回 3月6日
写真=素材
素材(写真)をどう扱うかが作家性だよね。


第十回 3月13日
意味
頭が悪い人って意味を求めるんですよ。意味のないことを10年、15年続けられるか。意味のあることを続けるのは楽なんですけどね。

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金村修の言葉 2016年4期

第一回 10月10日
撮影
潜り込んで撮ってるところが面白いですよ。狭い中で蠢いてるっていいよね。


第二回  10月17日
モノクロプリント
モノクロ写真はコントラストが高いと安心するんだよね。白と黒がはっきりしてるから。グレートーンは不穏なんですよ。閉塞感がある。


第三回 10月24日
ステートメント
基本的にアーティストって説明があんまりうまくできないほうがいいんですよ。うまいと面白くないんです。


第四回 10月31日
ステートメント
シリアルキラーとか、気が狂った人の手記を読むといいですよ。どんなにメチャクチャなことを言っているように見えても、その人の中では整合性があるんです。整合性があれば何を書いたっていいんですよ。


第五回 11月7日
やるべきこと
自分で説明できることはやらない。それっていい心構えですよ。


第六回 11月14日
わかる
結局、わかるってことは、わからない要素を落とすってことだから。わかるためにはわからないことをなくすんだよ。


第七回 11月21日
理念
作家はそれまでやってきたことを見せるわけだけど、なんでかっていうと、そこに理念があるかどうかを知りたいから。だから積み重ねていくわけじゃない?


第八回 11月28日
シリアスフォトグラファー
シリアスフォトグラファーってなんだろうねぇ。生活費をフィルム買うことに回して、夫婦喧嘩になるんですよ。それがシリアスフォトグラファー。


第九回 12月5日
性格
無邪気なんだけど性格が悪いっていうのがいいかもしれないですね。悪気はないけれど人を殺す。


第十回 12月12日
ベラベラ
昔はさ、写真家は黙って写真だけ出していればよかったんですよ。いまはベラベラしゃべってるけど。

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金村修の言葉 2016年3期

第一回 7月11日
ストック
ストックがゼロになってこそ写真家だよね。常にゼロ!


第二回 7月18日
露出
適正露出の写真って難しいよね。アマチュアみたいに見えるから。


第三回 7月25日
コラージュ
コラージュやってみたらどうですか。これは! ってことができるかもしれないし、えらいものになっちゃったなってこともあるし(笑)。


第四回 8月1日
階級
ものの意味じゃなくて、かたちで見るんだよ。この線がかっこいいなとか。


第五回 8月8日
写真
フィルムとか印画紙が高い時代にこんなことやってるなんて狂ってると思うんだよね。


第六回 8月15日
文字
画面のなかに文字を入れないように、というのは写真学校で言われるよね。俺も初期の頃って看板は入れてないから。なるべく避けてた。文字を避ける訓練ってするよね。守っててもブレークできないけど。


第七回 8月22日
中平卓馬
中平さんのすごいところはプリントが適当なところだよね。パリで展示したとき、現地でプリント。テストなんか撮ってる暇がないでしょう。撮ってその日のうちにプリントだから。(写真集)『サーキュレーション』は見たほうがいいよ。


第八回 8月29日
構図
写真家的美意識があるんだよね、まだ。だから中途半端にトリミングするんだよ。


第九回 9月5日
生々しさ
生々しいのとそうじゃないのと混ざってるほうがいいんですよ。生々しいだけだと畑から芋とってきたまんまみたいになるから。


第十回 9月12日
トリミング
どこをどうトリミングするかなんて下々の者が考えればいいんですよ。

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金村修の言葉 2016年2期

第一回 4月11日
構図
構図は後から決まってくるから、どう壊すかをみんな考えてる。物の配置があってフレームがあれば写真だから。


第二回 4月18日
失敗
失敗してる写真展のほうが参考になる。成功した写真展なんか感動するだけだから


第三回 4月25日
映画
映画はかたちだけ見るんですよ。小津映画だったら登場人物がどっちを向いてるか。どうつなげているか。ストーリーなんてどうでもいいんですよ。


第四回 5月2日
階級
画面に中心がない、というか、ぜんぶが中心。階級がないって言うのかな。


第五回 5月9日
悩み
「写真は立って被写体と正対して撮る」って教育を受けたからなあ。寝っ転がって撮るっていいなあ。


第六回 5月16日

水を撮れたら何でも撮れますよ。


第七回 5月23日
ブレない
ブレないようにするには腕に力を入れるんじゃなくて下半身に力を入れるんですよ。


第八回 6月6日
展覧会
来年は毎週展覧会やったら?


第九回 6月13日
展示
事前にあんまりきっちり考えないほうがいいよ。現実はノイズが入ってくるから。1・5倍くらいの写真を持ってきて、展示のときに差し替えるといいんじゃないかな


第十回 6月20日
写真
世間をアッと言わせましょうよ。これが写真だ!

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金村修の言葉 2016年1期

第一回 1月11日
友だち
友だちがいないっていいことだと思いますよ。つまんない飲み会に行かなくてから。


第二回 1月18日
ゆれる
撮ってるうちから固めちゃうと面白くない。撮っておいて後でセレクトから落とさないと。ゆれてないと面白くない。


第三回 1月25日
対象
「週刊実話」の表紙を毎週撮ったっていいわけよ。毎週変わるから。評論家は違うものを撮れっていうけど、毎回同じものを撮って興奮してるっていうのが写真家だから


第四回 2月1日
スナップ
これ、何かしてる時に撮ってるじゃない? 何かしてる時じゃないほうがいいんですよ。何かしてる時っていうのは誰でも撮るんですよ


第五回 2月8日
悩み
写真は創作上の悩みってないんだよ。システマチックに撮れるわけだから。だからほかの芸術からバカにされるんだけど。


第六回 2月15日
場所
一つの場所で撮ると選ばなくなるからいいなあ。いろんなところで撮ると好きなものばかり撮るから。


第七回 2月22日
好き
写真が好きだと思われたらおしまいじゃない? 写真に対して破壊力を持たないと。


第八回 2月29日
ダム
柴田(敏雄)さんの作品を見た後に実物のダムを見ると、柴田さんの写真に見える。


第九回 3月7日
カタチ
「カタチに実態はない」って般若心経も言ってましたよ。


第十回 3月14日
コラージュ
カメラで撮るとなんでもコラージュになるんですよ。写真はすべてコラージュなんです。

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金村修の言葉 2015年4期

第一回 10月12日
場所
ずっと同じところ撮っていても、撮るところはまだまだあるんだなあ。


第二回 10月19日
写真と言葉
「これはキリストの血だ」って言うとね。ぜんぜん違って見えるでしょう!


第三回 10月26日
写真ともの
普通にプリントしてほうが荒れて見えるよ。ものの関係性が変なんだから。


第四回 11月2日
カメラ
写真学校に4年間行ったけど、絞りとかシャッタースピードとかよくわかんなかったな。250分の1ならブレないなくらいで。


第五回 11月9日
10年
ドキュメンタリーだったらだいたい10年くらいかかるんじゃないかなあ。2、3年でやめちゃう人が多いから。選ぶは後からできるから。たくさんあったほうが選べるし。


第六回 11月16日
テクニック
上手ければ違うもの撮ってもいいけど。面白くないじゃない? 貧しいテクニックで同じようなものばっかり撮ったほうが作家性が強いから。


第七回 11月23日
コンテスト
写真コンテストに受かるうまさは、現代写真では意味ないしね。


第八回 11月30日
隣の写真
鈴木(清)先生はホームレスの写真の隣にパフォーマンスの横たわる写真を置くんですよ。そうすると意味が変わるんです。


第九回 12月14日
編集
編集って面白いと思う。ゴダールが言ってたけど、モンタージュはつながらないものをつなぐ。


第十回 12月21日
反復
写真のかたまりのなかに、反復するものがあるとわかりやすくなる。

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金村修の言葉 2015年3期

第一回 7月13日
撮影
まだ撮っているものを大切にしたいって気持ちが出てるじゃない? どうでもよくなってくると面白くなるんですよ。


第二回 7月20日
中平卓馬
中平さんの場合、写真の物質性が大事なんだよね。もの派と交流があったくらいだから。


第三回 7月27日
鈴木清
いま妄想を持ってる写真家っていないけど、昔はいたんですよ。鈴木清先生とか。


第四回 8月3日
ストリートスナップ
この前、銀座で中国人に混じって撮ってたけど、別に怒られなかったな。


第五回 8月10日

夜ってこまごまとしたところは写らないから。省略されるから。


第六回 8月17日
イメージ
写真はイメージ。最初から反イメージみたいなものを出しちゃったら楽なんだけど。イメージを通さないと反イメージは見えてこないから。


第七回 8月24日
動画
動画の編集はきりがない。写真は時間の区切りがあるからいいよね。


第八回 8月31日
芸術家
やっぱ社会が嫌いじゃないとね。芸術家になるには。


第九回 9月7日
額装
額装していないと不穏な感じになるなあ。


第十回 9月21日
ウォルフガング・ティルマンス
ティルマンスは勤勉なんだよ。毎日新聞切り抜いたり、写真撮ったり

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