金村修の言葉 2019年2期

第一回 7月22日
視点
グリーン車から撮るっていいですよ。庶民の視点からものを見ない。


第二回 7月29日
展示
展示にはコツがあるんですよ。基本はシンメトリー。それをちょっと崩して。できない人もいるんだよ、俺みたいに。でもそれも才能だから。


第三回 8月5日
素材
ダンボールを使うなら、ネオ・ダダの(ロバート・)ラウシェンバーグを見るといいですよ。ダンボールに絵を描いたりしてるんだけど、その貧しさが意味を持ったりしているから。


第四回 8月12日
昔のネガ
昔のネガを見返すと面白いよ。たまーに見返すと「どうしてこれ焼かなかったんだろう」って思うカットがあるんですよ。だからってそれを焼くわけじゃないんだけど。


第五回 8月19日
被写体
デザインされたものを撮るのは難しい。デザインした人にはどうしても勝てないから。


第六回 8月26日
アーティスト
クリストの初期の作品がいいんですよ。「ドラム缶の壁、鉄のカーテン」(1962)なんてパリの路上でゲリラ的に展示してる。昔のアーティストは社会に迷惑をかけるのも仕事だったんです。心を踏みにじるくらいなんでもないですよ。


第七回 9月2日
撮っているのは
そのものを撮るのか、ものから派生するものを撮るのか。撮り方によって変わるわけじゃない? どちらかに振ったほうがいい。何でもかんでも撮るなんて、コマーシャルカメラマンじゃないんだから。


第八回 9月16日
フォーカス
ピントが合ってない写真が入っていたほうがいいこともあるから。


第九回 9月23日
組み合わせ
単純にいい雰囲気の写真ってだけだと、それで終わっちゃうじゃない? 新しい組み合わせを考えると新しい写真になるから。


第十回 9月30日
写真を見る/見せる
写真集は写真を見せるためのものじゃないんですよ。写真を見せたいなら展示。写真は印刷物だから。


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