金村修展 JAN 27 – FEB 25, 2018, RAINROOTS & MUNO 同時開催
名古屋市内にある異なる2つのスペースで、金村修の展覧会が開催されます。『MUNO』は2016年にオープンしたオルタナティブ・スペースで主に展覧会場として使われています。『RAINROOTS』は2005年にオープンした個人ラボ兼ギャラリーです。徒歩で行き来できる立地条件の二つの会場で、普段は展示には使われないようなバックヤードやラボラトリー、屋外までも使っての展示となります。
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RAINROOTS
『RAINROOTS』での展示は写真で構成されます。
“White Rabbit Opium Dream”は2011年の作品で、バライタ大全紙に端正にプリントされた正統的な金村作品と言えるでしょう。“System Crash for Hi-Fi”は2015年の作品で、期限切れのRCペーパーに薬品を撒き散らして化学反応と経年劣化を同時に画面に配しています。“Living Dead Suside”はカラー・デジタルプリントの未発表作品で、これまで金村は写真の展示としてはカラー・デジタルプリントを使用したことがないので、全く新しい試みとなります。
これらの異なるプリント群を使って、『RAINROOTS』の複雑な内部構造を生かしたカオティックな展示が構成されます。
MUNO
ホワイトキューブの『MUNO』では、“Do not resuscitate”という映像インスタレーションが展示されます。未発表映像を含む複数の映像作品を四方の壁面にプロジェクションして、映像で空間を満たします。
Artist Statement
自閉症児の人がどんな風に現実を見ているのかを再現した自閉症シュミレーターの映像を見て、映像の数々の技法はこれに近い感覚を観客に与えるために考えられたのではないかと思った。遠近法が破棄された彼らの視覚は、突然もののある部分がクローズアップで現れたり、近くのものが遠く見えたり、ある色にだけ反応してその色だけが強調されたりというように、現実の世界が断片化される。遠近法の統御が壊れた彼らにとって目前の世界は無秩序な洪水のように現れる。アクション繋ぎやクローズアップという映像の技法は、現実を断片化するカメラの機能を再度人間の知覚に受け入れやすくするために作られた技法であるが、カメラの原理を意識的に考えていた一部の映画監督達は、知覚の秩序を破壊するためにそれらの技法を使用する。『国民の創生』でのリリアン・ギッシュのクローズアップが当時の観客を困惑させ、リュミエールの『列車の到着』が観客をパニック状態に陥れたのも、それは観客の知覚の秩序が破壊されたからではないだろうか。現実の世界は、自閉症児の見ている世界に近いのかもしれない。関連性が放棄され、断片が浮遊している世界。映像や写真は現実の再現や映画のような知覚の秩序に奉仕するためにあるのではなく、現実の世界を引き裂き、混沌の世界を召喚するために存在する。(金村修)
Events
2018年1月から5月までRAINROOTS/MUNOで開催される、金村修、タカザワケンジ、小松浩子の三人による連続展の第一弾として金村修展が行われます。そのため2018年1月27日(土)から1月28日(日)にかけて、イベントが多数開催されます。ぜひご参加ください。
撮影会 + 講評会
2018年1月27日(土)10:30-16:00
二人の写真家 金村修、小松浩子とともに大須の町を撮影します。フイルム(カラー)推奨、デジタルも可。
講評、RAINROOTS での同時プリント1本料金込み
at RAINROOTS 定員 6 名 参加費 7000 円
特典:MUNOで行われる金村修の未発表映像上映会(1月27日(土)13:00〜)に無料でご参加いただけます。
映像上映会
2018年1月27日(土)13:00-14:00
フランスのコンテンポラリー・ダンサー、Camille Mutelの東京での一日を追った、金村修の未公開映像「Camille Mutel Wrecing Crew(2014年)」を上映します。
at MUNO 定員 20 名 観覧料 1000 円
ゼロックス ブック ライブ
2018年1月27日(土)17:30-
金村修が自身の写真をその場でゼロックスプリンターで出力し、冊子をライブ的に作成します。
作成されたビンテージ冊子はその場で購入可。
at RAINROOTS 定員 10 名 観覧料 1000 円
ポートフォリオレビュー
2018年1月28日(日)13:00-16:00
金村修、タカザワケンジ、小松浩子の三人による同時レビューです(参加者1人あたり15分ほど)
at RAINROOTS 定員 12 名 参加費 5000 円
トークイベント
2018年1月28日(日)17:00-18:30
金村修 × タカザワケンジ × 小松浩子「写真とインスタレーション:写真表現のいまとこれから」
at MUNO 定員25名 入場料1000円
オープニングパーティー
2018年1月28日(日)18:45-20:00
at MUNO 入場無料
Information
OPEN: 12:00-19:00、水曜休廊(両会場とも)
RAINROOTS
愛知県名古屋市中区松原 1-9-13 フラワーセンター 1F NO6
tel 080 8110 9462
mail info_g@rainroots.main.jp
web http://rainroots.main.jp/
MUNO
名古屋市中区大須 1-24-51 バウハウス大須 1F
tel 050 3697 7068
mail muno@muno-no-hito.com
web http://muno-no-hito.com
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