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Report / 金村修の言葉 2011年3期 7月11日〜9月12日
講評中の金村修の言葉を タカザワケンジが毎回ピックアップ
2011年3期 第一回 7月11日
スタートにあたって
−−今年、第3期となるワークショップ。毎回、参加者の写真を講評していく。まず、スタートにあたっての金村の言葉を引いておこう。

みなさん、こんにちは。しばらく暑いらしいですね。
撮影するのは地獄だけど、すごく暑いときとか、寒いときには身体に変調をきたすから、わりといい写真撮れると思いますよ。
自分が考えているのとはまったく違うもの撮ってくるから。

写真って身体を使った実験みたいなところがあるから。自分が実験台に乗っていると思ったほうが、いい写真撮れると思いますよ。
詩人のウィリアム・バロウズっているじゃないですか。彼は実験ばっかりやってるんですよ。
ホモってどんな気持ちなんだろうと思ってホモになったりとか。そういう身体を張った実験性って大事だと思うんですよ。
今年は40度くらいまで行くっていうから、カメラなんて熱くて触れないでしょう。
そんなこと滅多にないんだから、撮ってみるといいんですよ。
さあ、写真を見ましょう。
2011年3期 第二回 7月18日
断片でもないし、全体でもない。意味も抜けてる。
1920年代の実験写真みたいだな。サナダ虫みたい。こんなのがこんなにあるんだ、世の中って。

“都市の内臓”みたいな、メタファーにされないようにしたほうがいい。モノを撮ると無意識にシンボリックになるんだよ。
キリストとか仏像とかを撮って、意味はありません……って言ったって通用しない

キミの場合、写っているものが断片でもないし、全体でもない。意味も抜けてる。そこがいいんだから。
2011年3期 第三回 7月25日
1枚写真とシークエンス写真
キミの場合は、上に乗っかってる家よりも手前の地面のほうが面白い。それってあんまりないんだよね。

同じ場所を何枚も撮ってシークエンスとして成り立たせる。こういう時間の経過のさせ方の写真は上手いじゃない?
ちょっとセンチメンタルだけど。

シークエンスで見たほうがいい写真もあるし、1枚で成立する写真もある。
展示のときに、それを両方展示するということはインスタレーションになる。
それはまた写真を撮ることとは違うセンスが必要とされるから。そのセンスがあるかどうか。
2011年3期 第四回 8月1日
フェンスを撮っているのか、背景を撮っていのか
目に入った面白いものを撮ってる写真だよね。選ぼうと思うと選びづらい。断片的だから。
見事にフェンスばっかり写ってるなあ。
この写真ならフェンスはないほうがいい。ないほうが見たいものがはっきりわかるから。フェンスを撮りたいなら背景が邪魔。
これはフェンスを撮っている訳じゃない。背景が重要。画面を作るために柵を使っているだけ。
リー・フリードランダーもフェンスを撮っているけどもっと強い。いつもピーカンだし。
2011年3期 第五回 8月8日
強い被写体を使ってわからないものを作る
いろんなひもがあるなあ。

−−受講生の作品は街の中にあるコードなど「ひも状」のものを撮影した写真。数を見せられるうち、ひもの定義があいまいになっていく。

結んだひも、乱れたひも、これをひもに入れていいのかとかね。精神分析的な読み方ができる写真もあれば、謎なものもある。
どんどん撮っていっていいですよ。あとで落とせばいいから。このなかで5枚も出たからいいんじゃないかなあ。
実際、難しいですよ。ひもっていう強い被写体を使ってわからないものを作ろうっていんだから。

−−ひも状のものばかりを見ていると、一種の彫刻のようにも見えてくる。

これはひもじゃなくてジャコメッティだ、といえればかっこいい。
2011年3期 第六回 8月15日
吉増剛造の映像作品を参考に
この前、吉増(剛造)さんが朔太郎の足跡を追う映画を見てきたんだけど、朔太郎のOHPフィルムをカメラの前に下げてずっと語っている。
そういうやり方って写真でもありだよね。朔太郎が歩いたところを歩いていくだけで十分成立する。

吉増さんは自分でビデオカメラを回して、手前にピンチハンガーをぶらさげて、音楽を流しながら、しゃべりながら歩く。
ものすごく忙しい。考える余裕なんてない。
2011年3期 第七回 8月22日
桑原甲子雄のスナップショット
−−路上スナップの作品を持って来ている受講生に対して。

桑原(甲子雄)さんの『東京長日』って写真集、見るといいよ。

桑原さんは堂々と俺は女子どもしか撮らないって言ってるから。しかも、女の人は後ろ姿、子どもは前から。

ただ撮ってますじゃ説得力がない。少なくとも、場所や時間を限定したほうがいいよ。
桑原さんが面白いのも場所が限定されているところ。近所しか撮ってないんだから。
東京長日

*2011年8月27日に四谷ひろばで開かれた「写真の内側・外側研究会」の課外講座「異色の写真家列伝4 桑原甲子雄 前編」の様子(後編もyoutubeにアリ)。写真史研究家の大日方欣一さんによるレクチャーです。
2011年3期 第八回 8月29日
川崎ベッヒャー
電柱は電柱だけでまとめたほうがいい。そのほうがクール。

こういう写真が20枚くらいあるとベッヒャーになる。被写体が被写体だし、モノクロだから、下手すると、川崎裏町人生版ととらえられてしまう危険性がある。
そう読ませないようにタイポロジーを入れたほうがいい。

聞かれたら『私はドイツ写真以外に興味がない』と答えたほうがいい。
*新宿ニコンサロンで11/8 (火) ~11/21 (月) まで、この写真の作者、森谷雅人の写真展「約束の地 KAWASAKI DEEP SOUTH 2010-2011」が開催される。
2011年3期 第九回 9月5日
象徴と写真
−−抽象的な写真を撮っている受講生。
  写っているものは具体的なモノのようでもあり、グラフィックのようでもあり、写真の粒子のようでもある。
  また、そこに象徴性を見いだすことも容易だ。その写真に対して金村は語る。

粒子なのか、物質性なのか。どちらにこだわっているのか。どちらかにこだわっているのはわかる。それがもっとはっきりわかるといい。

何かの象徴に還元して見られてしまうのはしょうがないんですよ。そうしなければ人間の視覚は不安に耐えきれないから。
2011年3期 第十回 9月12日
つまらない場所と格闘する
−−あるルールにしたがって撮影を始めた受講生に対して。

ちょっと見落としが多い。このカットからこのカットまで来る間に3~4カットは撮れるはず。もっと数があったほうがいい。

──絵にならない場所なので、あまり撮れないんです。

写真が上手いから、上手く撮ろうと場所を選んでしまう。でも、上手く撮れないところで闘いになるほうが見ているほうは面白い。

──撮っているときにはつまらない。プリントをしたときに、かろうじて面白いかなと思うくらいで。

撮影はつまらないものなんですよ。楽しいのはアマチュアのうちだから。波瀾万丈の撮影なんてないし(笑)。

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